無料イラスト素材サイト「滋賀イラスト素材」制作者・島先 沢さん
有名イラストサイトの素材が巷に溢れる中、滋賀の題材だけを集めたイラストサイトがあるのをご存知でしょうか。今回は「滋賀イラスト素材」の制作者にお話を伺いました。
滋賀をとことん掘り下げたイラスト素材サイト
滋賀に関するイラスト素材133種類が掲載された「滋賀イラスト素材」。いずれも無料でダウンロードでき、使用時のクレジット表記も不要。主張しすぎない作風に統一され、使用する媒体の本来の内容を邪魔せず、複数の組み合わせでも使いやすそうです。
思わず「可愛い!」と声を上げてしまう作風もさることながら、一つひとつの素材を見ていくと滋賀県の地域性を深く表した素材に驚かされます。
例えば琵琶湖の生き物だけでもイサザ・鮎・ワカサギ・カイツブリ・瀬田しじみ・ビワコオオナマズ・ホンモロコ・ニゴロブナ・ビワマスと9種類。ここまで滋賀や琵琶湖を掘り下げたイラスト素材サイトは他にないでしょう。サイトロゴは滋賀らしい山と琵琶湖のデザイン、また直球のネーミングも印象的です。
特徴的なのは琵琶湖を中心とした地図上にイラスト素材が配置されていること。その土地の名産品を知ることもでき、滋賀県内を疑似旅行する感覚で楽しめます。またカテゴリーや五十音順でもイラスト素材を探すことができ、使用目的に合わせて便利に使い分けができます。
実はイラストが得意ではなかった制作者
イラスト素材制作者 及び サイト管理者は島先 沢(しまさき さわ)さん。普段は大阪の広告制作会社でグラフィックデザイナーとしてお勤めされています。
高校在学中からデザインに興味を持ち、滋賀県立大学 生活デザイン学科へ進学。学科内では、グラフィック、服飾、プロダクトデザインなど、各々が興味のある分野を深めていける環境だったそうです。実はこの「滋賀イラスト素材」は大学の卒業制作として発表したものだそう。イラスト素材の中には、出身校である滋賀県立大学のイラスト素材もありました。
イラストが特に得意ではなかったという島先さん。
筆者:では、なぜ卒業制作のテーマにイラストを選ばれたのでしょうか。
島先さん:広告のデザインやパッケージデザインなどには興味があり、(グラフィックデザインソフトの)Illustratorなどは得意でした。切ったり組み合わせたり、そういったパソコン上での作業が好きだったんですね。担当教員からは、卒業制作にはやりたいことだけではなくて得意なものを取り入れるようにとアドバイスをいただきました。
作画方法を見ても分かるように、水彩絵の具で描いた素材をスキャンして取り込み、(画像編集ソフトの)Photoshopで調整。それらの素材をIllustratorで切り取って組み合わせるという何とも緻密な作業。確かに、イラストとは言い切れない分野であることが感じられます。
筆者:水彩絵の具の淡い色味ですが、どこか温かさを感じる全体のトーンがすごく滋賀らしいです。
島先さん:そこはとても意識したところなので、嬉しいです。
題材選びが滋賀を深く知るきっかけに
島先さんのご出身は滋賀県大津市の志賀エリア。大学は彦根市ということで、おのずと滋賀には愛着がありました。「得意な分野(Illustratorなどの操作)と愛着のある滋賀を組み合わせると、面白いものができるかもしれない」こうして滋賀イラスト素材の制作は始まりました。
筆者:全て実物を見て描かれたのでしょうか。
島先さん:いえ、一年間という限られた時間でしたので、資料などをもとに描いた素材もあります。滋賀県内出身の友人たちに地元の題材のイラストを見てもらったり、題材の情報を教えてもらったりしたことが非常に制作の助けになりました。
筆者:題材はどうやって選ばれたのですか。
島先さん:一番最初に描いたのは彦根城です。大学が彦根市内ですので、やはり身近で一番に浮かびました。続いて信楽のたぬきや黒壁スクエアなど、有名どころは押さえていきました。題材選びに行き詰まると、担当教員に相談しながら加えたり、減らしたりしました。
筆者:逆に減らした題材が気になりますが。
島先さん:寺社仏閣は、こんなにいらないのでは、ということでかなり絞りました。
筆者:滋賀県にはそれだけ有名な寺社仏閣が多いということなのですね。
琵琶湖とは切り離せない素材たち
(写真は島先さんの卒業制作発表の様子)
筆者:ビワイチや船舶など、琵琶湖とは切っても切り離せない素材が多いです。
島先さん:抽象的な題材は苦労しました。ビワイチは琵琶湖と自転車に乗る人の対比を考え、それらしく見えるように工夫しました。
筆者:鉄道のイラスト素材は車体のデザインだけでなく、琵琶湖のどの位置を走っているのかも忠実に表現されています。
島先さん:実は信楽高原鉄道は乗ったことがなく、信楽出身の友人に見てもらったのですが、よく描けていると褒めてくれたのがとても嬉しかったです。
島先さんの地元である舞子浜や琵琶湖テラス、琵琶湖バレイも特に思い入れのある作品だそう。
イラスト素材の今後の展開に期待
筆者:こういったサイトは使用ルールの設定が難しそうです。
島先さん:サイトの中には特定の会社の商品や観光施設も含まれ、それらの扱いは特に注意する必要があります。また自分自身の制作物がどの範囲で使用されることを許可するのかという点も、ルールをはっきりさせなくてはなりません。弁護士や弁理士の方に相談に相談し、サイトの使用ルールに反映させました。また先駆けて発信されていた有名イラストサイトのルールも非常に参考になりました。
制作を通して、かなり滋賀に詳しくなったという島先さん。このサイトは一旦完成していてイラスト素材の追加予定は今のところないとのことですが、今後の展開は何か期待して良いのでしょうか。
島先さん:既存のイラストを使ったグッズ制作のお話をいただいており、また具体的なことが決まりましたら公式サイトに掲載させていただきます。今は本業の仕事が忙しく、新しい題材のイラストを描く時間が取れないのですが、既存のイラストを使って企業や行政などとコラボレーションできれば嬉しいです。
筆者:このサイトに関して夢はありますか。
島先さん:どこかでふと使われているのを見かけたら嬉しいです。イラストをきっかけに、もっと滋賀の魅力に興味を持ってもらえれば。
街に島先さんのイラストが溢れたら素敵ですね。琵琶故知新でも積極的に使わせていただきたいと思います。
1980年 高島市生まれ。守山市在住。
大学卒業後は大阪・東京に在住するも故郷の魅力を再認識し滋賀にUターン。
普段は子育て情報誌の編集やまちづくりに関するイベント運営などを行っています。
趣味は空手とチアダンス。三姉妹の母。
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